創業融資の制度について一考(2/2回目)

創業融資の制度について、
貸す側は「何を知りたがっているのか」「なぜこの書類が必要なのか」といったサイドから前回に引き続くかたちで書いていこうと思います。

『前回①~⑩概要』
①今後の経済環境で、その事業が安定的に成長していけるか。
②事業を行うに当たり必要な許認可や届け出がされているか(ヤミではないか)
③業法上、金融機関として資金を貸していい業種か。
④事業の創造性や何故事業を起こそうと考えたかの動機。
⑤計画される事業の経験。
⑥一般的に業態から見た売上や経費が妥当な数字か。
⑦得られる利益やキャッシュフロー(資金の増減)でもって、約束された返済が可能か。
⑧必要としている融資の資金がその事業にどの様な形で使われるか、必要な資金か、
といった資金使途。
⑨事業や代表者が返済や金銭感覚に信用が置けるか。
⑩万が一計画がうまくいかなかった時の返済原資。

今回は①~⑩の「なぜ」についてです。

①②事業そもそもの存続が確立されているかという事です。
は公共的な立場にある金融機関として融資が規制れている業種にはもちろん貸そうにも貸せません。例えば貸金業や反社会的勢力など。
創業するにあたって
「今までとは違った分野や考え方」「この事業が地域の経済や雇用を生み出す」「既存の事業では達成困難なアイデアがある」といった動機があり、金融機関は貸し出す資金をもってその事業を支援していく事と思えるか。
売上をし、資金を回収し、経費を支払い、理想を現実化していく、
経営を行っていけるかを測る基準として経験がモノをいうことは自然と理解できます。
計画された計数が業界の常識や一般的なモノサシに当てはまるか。
ここは事業計画の最重要視されるPOINTの一つです。
最重要視されると分っているからこそ、この点についてのみこだわってしまう事業計画になってしまうこともあります。乱暴な言い方をすれば返済が可能な計画に「逆算」をしてしまい、つじつまが合わない計画書となってしまいがちです。
むしろ返済額に見合う利益やキャッシュフローが生み出せない計画はどこかに無理があると考えるべきかもしれません。そう考えることができれば
・借入額が多大ではないか
・経費をもっと見直せないか
・この計画通りに資金調達ができたとしても約束通りの返済が不能となり事業は行き詰まってしまうかもしれません。
あるいはそういうことを物語っているのかもしれません。

これがいわゆる過去の信用調査です。過去は過去。過去の出来事で今後の資金調達が困難となってしまうのは無茶な話だと考えるところもありますが、
貸す側から言えば、今までのその事業の経験が創業にあたっての事業計画の数字の基礎となっているのと同様に決算や確定申告の様な具体的な判断材料が乏しい状況の中での判断をするわけですから、その判断材料の一つとして返済に対する姿勢を「過去」にこだわるのもやむを得ないところでしょう。
又個人の通帳の推移をみられるのも、残高だけでなく通帳の流れを見てローンの返済であったり毎月支払うべき家賃や光熱費、一定の税金を払うべき日に支払っている事を確認されることとなります。
政策公庫にしても信用保証協会、金融機関は税金や保証料、皆さんの預金といった公共的に集めた資金を貸し出す訳ですから、最終的には返済をしてもらう責任があります。

自己資金要件や代表者の資産状況を把握される大きな・重要な理由の一つはこの為です。

この自己資金要件についてはよく質問され、申込時にとっつきにくい点の様です。
明確な判断は別としますが
最近は日本政策金融公庫も信用保証協会も創業・開業融資制度では自己資金要件として必要な資金の1/10以上を求めています。(以前は1/3というようでしたが)
計画している事業に必要な資金が1000万だとしますと100万は自己資金が必要とされます。
反対から言えば、
「自己資金の9倍までが融資の上限」という事になります。

この自己資金は実際の会社の預金以外にも代表者個人預金(配偶者)といった、
いつでもその事業の為に提供できる資金の事と理解しています。

ですから、日常生活に必要な資金や、通帳にはある程度の預金があっても、直前に大きな出入があるだけの「見せ金」や第三者からの借入で返済を要するような資金は自己資金とは見れないでしょう。
また事業を行うにあたって元手がゼロというのも、創業意欲・動機を測る上での判断材料から言えば説得力に欠けるかもしれません。

「創業融資」は
ある程度事業実績が積まれ決算書や返済実績によって判断できる「過去の実績」がないため
それに変わる材料を求められることは創業にあたっての資金調達がなかなかうまくいかない課題です。
「資金が調達できればうまく創業出来て、事業も軌道にのり実績が証明できるのに」

「でもその必要な資金が調達できないから創業に支障があるし実績が積めない」と
『ニワトリが先か卵が先か』
というのは悩ましい課題でありながらも金融機関の意図することを是非前向きに理解することも重要です。

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