「株主第一主義」を修正」から財務諸表に見えるもの

『アメリカの企業でいわゆる「株主第一主義」を修正。』
先日、こんな記事がありました。

この記事によると、アメリカの主要企業経営者団体が「株主第一主義」を見直し、
従業員や取引先、地域社会などの利益を尊重した経営に取り組む、と声明をしたとのこと。
従来の株価上昇や配当増加などの、株主の利益を優先してきた行動指針に対する批判をかわす目的とも捉えられます。

修正内容は具体的には(1)~(5)順番に
(1)顧客(2)従業員(3)取引先(4)地域社会(5)株主
となっており全利害関係者への声明とされてます。

「会社は誰のものか」という議論も久しくされています。決して株価上昇目的は否定されることではありません。
声明の目的はどうであれ、一石を投じた形となって長期的な事業発展に貢献されればいいと思います。

今までの株主第一主義から修正され、企業の行動指針が変化するに伴い財務指標は変化していく可能性があります。
従来よりの株主第一主義の主たる指標であるROE(自己資本利益率)。
ちなみにROEとは・・・=「当期純利益/自己資本」
自己資本1単位に対していくら利益が出ているかを表していて、
株主から見ると自己資本利益率が高い会社は投資した資金で効率よく利益を出してくれている会社であると判断できますので投資が集まりやすく株価が上昇につながります。
よってROEを高めるには、「分子の当期純利益を向上」させるか、「分母である自己資本を圧縮」するかになります。
株主第一主義のもとでは、ROE向上や株主還元に好影響となる財務戦略が行われます。
例えば余剰資金での自社株購入(自己資本の圧縮)もその一つだと考えられます。
実際、ROE重視の経営姿勢が高株価を呼び、株主の要求にも財務戦略としてROE目標が掲げられるようです。

では声明にある新たな行動指針のもとでは、どのような財務指標が注目されるようになって、伴って変化していくと予想されるでしょう。

以下私見ですが・・。
(2)従業員・・・公正な報酬の支払いや福利厚生の提供。
容易に予想されるのが適正な人件費や福利厚生費。
単純に金額が高いという事ではなく、付加価値(売上総利益)に占める人件費比率である労働分配率が「いかにあるべきか企業独自の戦略」をもって取り組んでいるかに注目されるでしょう。

(3)取引先・・・規模の大小を問わず良きパートナ-として扱う
取引先との関係を財務指標としてあらわすのには様々な見方があって、一概には言えません。
支払債務(買掛金や未払金)の項目に着目して、
例えば、取引上優位な地位を利用して下請けに支払サイクルの延長など負担をシワ寄せをすると、
貸借対照表の買掛金や未払金の残が仕入や経費の増加に比して不当に増加します。
仕入値引の不当な増加も、損益計算書に見えてくることもあるかもしれません。

一方、支払サイクルの長期化短縮化は企業努力や業界の環境、売上サイト(売上から入金までの期間)とのバランスにも影響しますから短絡的な判断はできません。
いずれにしても業界の指標や「損益計算書」上の仕入経費の増減と「貸借対照表」の買掛金や未払金の増減のバランスとが不合理であれば、
それらが取引先の利益を害する自社の利己的な利益の追求によるものであるかを見極める必要があります。
また今後は、ROE向に向かっていた余剰資金が買掛金や未払金の圧縮に向かう財務戦略も有りうることかもしれません。

(2)(3)以外の
(1)顧客・・・顧客の期待にこたえてきた伝統を前進させる。
(4)地域社会・・・持続可能な事業運営で環境を保護する。
SDGsとして馴染みがあることでしょう。
(1)(4)ついては専門的な研究が進んでいるようですが、深入りせず割愛いたします。

常に投資家の目にさらされている上場企業・大企業のみならず、
中小企業の行動指針や思いが財務の数字に表れることに注目して金融機関や投資家が判断される材料になれば
興味深いことかもしれません。

ただもっと言えば財務指標を表に立たせて、良かれと思われる行動指針をアピールする。
そんな本末転倒なことは・・・ないように。
です。

通帳の「預入と払出」に違和感ありますか。でも。

お客様の通帳を見る機会が多くあります。
何気なく見ていると違和感があって
三菱UFJ.三井住友、などメガバンクでは
右側に「預入」左側に「払出」、となってます。
一方、金融機関除く民間は逆で、
その銀行の通帳を記帳する際、預入は左側(資産側の増加)払出は右側(資産側のマイナス)にします。
記帳する立場からはややこしく思う方もおられるかもしれません。
何故なのだろうかと。

銀行自体のバランスシート(貸借対照表)は通帳の表示通りなのです。
つまり銀行にとって預金者からの預入は負債ですから右側、払出は逆なので左側に、通帳はその通り記載されているとすれば、バランスシートの記載する立場の違いなのだろうと思います。
ちなみに
ゆうちょは上記の逆で、民間と同じ通帳の預入は左側に、払出は右側に記載されてます。

記載の仕方が異なるについては、それぞれの立場があっての事。
銀行も記帳の目的には変わりないことですし、
ご自身の通帳見て取引や残高なりに変わりはありません。

鏡を見て、右手を動かしてみると写る左手が動いている様に見えます。
貸し手は借り手の立場を思い、借り手は貸し手の立場を思う。
相手の立場が逆である事を分かっていれば
何か分かる事と、自身の立場を見直す事も大いにあるはずです。






バランスシート(貸借対照表)に関心が増えてます

ファイナンス理論、決算書の見方、投資ブームの時勢もあってバランスシート(貸借対照表)に関心が増えてます。

さて
利回り8%という数字

金融機関のBIS規制(自己資本比率の最低規制)でも「8%」という数字がちょいと顔を出していますし
最近は金融緩和の影響もあって株式投資が活況の様子で
資本市場も「ROE8%超」とういう言葉が目立っています。

株式投資の銘柄を選択する指標の数字には、PER株価収益率)・PBR(株価純資産倍率)・ROE(株主資本純利益率)など様々ですが、今は中でもROE(株主資本純利益率)が注目されてます。

「ROE=1株あたり純利益/1株あたり株主の資本」

ざっくり言いますと株主が投資(出資)した資金が会社の経営を通じて利益としていくら貢献したか。
100投資してその年の純利益が10でしたら
ROE=10/100=10%
という目安です。

このROE。一般的に「8%」が投資家の銘柄選別の大きな流れで
「8%超の銘柄には投資が集中し、8%がその分岐点となっている」
との統計もあります。

「8%」という数字は株主の資本コストとも言われ、株主が投資して得られるであろう純利益(ROE)が
「利回り8%超を期待する」と言う株主行動の表れなのでしょう。

ではなぜ「8%」なのか。
期待収益率は安全資産(主に国債)の利回りに、市場リスク、個別企業のリスクをプレミアムとして加算して評価します。
これは合理的な投資を決定するために必要な評価手段です。
一方
「ゴーイングコンサーン」という言葉は、会社は将来にわたって事業を無制限に継続するという前提を表していますし
現実的には、企業は最低10年は継続する社会的な使命を持っているとも、よく言います。

【〇%で複利運用した場合に元本は「72÷〇」で2倍になる。という72の法則】で
概算計算できますが
これによりますと 72÷8=9

元本を複利8%運用した場合、約10年で倍になります。すなわち
出資した株主は投資資金を10年で回収できる利回りは8%です。
投資家の心理・行動一つの見方として、
このような
「10年単位の投資行動に8%」という数字がどこか関わっているような、そんな気がします。

どちらかというと損益計算書に関心が寄せられがちですが、
ROEなどの分析指標を活用するには貸借対照表の見方も不可欠です。
損益予想に偏りだった事業計画書も貸借対照表の今後の計画、予想貸借対照表が必要となってくると思います。

起業創業の手続きの、ほぼ現状。

6月なのに真夏の季節です。相変わらず異常気象とでもいうのでしょうか、あまりにも異常気象が続きすぎてこれは異常ではないのかも、そんな感じにすらなってしまいます。
暑いと寒いの差が激しく、春や秋の心地いい季節感が短い。地球全体が大きな魔法瓶のようなものの中にすっぽりと入っているんじゃないかとも思います。

さて
〇起業創業の手続きについての「ほぼ現状」
1)個人や仲間と創業起業し、その過程で会社を設立する場合にはその設立手続きが必要になります。
・設立後には税務署・各自治体・社会保険・労働保険といった、制度上の行政手続き
・更には、金融機関の口座開設、会社としての各々の契約事項手続きといったしなければならない事柄が押し寄せてきます。
2)何を、どう、時間は
設立手続き、その後の制度上の行政手続きについては
「面倒、時間がかかる」「行政窓口が複数で簡素化されておらず」「いちいち書類提出手続きが必要」
あるテレビCMでの「それ早く言ってよー」セリフが思わず出てしまうような窓口とのやり取り。

手続きが規則化されている以上従わなければなりませんが、
「時間」と「縦割り行政による空間の隔たり」を感じざるを得ません。
例えば、
①設立の手続き:
(場合によって公証人役場)、法務局、個人の印鑑証明など+基本書類⇒申請後1~2週間後に完了 
②税務署に設立届の提出:
税務署に必要な届出書類を提出。定款や謄本など設立会社に関する資料も添付。
e-taxという電子申請も可能(ただこの場合は専門家に依頼するケースが多い) 
*電子申請でもなぜか、定款や謄本の添付書類は郵送または窓口持参。
(地方自治体にはel-taxという電子申請で必要書類は申請時添付可能)
③社会保険:
日本年金機構へ必要書類添付し提出。健康保険証が出来上がるまで約2週間かかります。
④労働保険:
労働基準監督署へ必要書類を頂いて(今のご時世ダウンロードできない書類あり)記入し申請し、
その書類をもってハローワークへまた必要書類を提出。
③④とも厚生労働省と「同じ省」なのに、まるで別扱いです・・・・。

⑤金融機関の口座開設手続きには、審査に結構時間がかかる場合が多く、書類も定款や謄本、税務署への設立届などが必要です。結果設立申請してからの延べ2週-3週間かかるケースもあります。

当然ながら金融機関の口座開設は事業開始に必須で、資金調達にも口座がないと話にならない。
起業創業に必要な資金調達の際には履歴事項証明や行政手続きが終わった書類が必要となり、現状では1か月のタイムラグが生じることとなります。

さて参考までに金融機関の口座開設に必要な資料です。金融機関によって異なります。
・定款(会社を作る際に公証人さんに認証してもらう書類です)。紙ベースかPDF格納のCDでお手元にあります。
・履歴事項全部証明、印鑑証明書(設立登記が完了した後に法務局で取得できます)
・会社の印鑑、(念ため)個人の印鑑
・法人設立関係の届出書類(税務署や各自治体に届出をした控え)
・代表者の本人確認資料や個人の印鑑証明など。・(金融機関の窓口に実際行かれる方・おそらく代表者でしょうか)
・会社の株主名簿出資者名簿など出資内容のわかる明細
別途必要に応じて、
・会社の事業内容がわかる資料、事務所の契約書、自己所有不動産であればその謄本など

〇起業創業の支援について
一方、海外で早いところだと
上記①~④のような、設立手続きでは20分~1時間以内、税務署などの手続きも簡素化されたオンライン申請で短時間で可能
とのことです。

うーん。
とても複雑で時間がかかり、窓口がたくさんあって、それぞれに必要な書類を用意しなければなりません。
手続き上は、本人確認、様々なコンプライアンス、法的事情にによりやむを得ないところもありますが、
実際に現場で国民の視点に立った行政の効率化の現状は、例えば「個人番号」「法人番号」の導入時の勢いからは、まだまだかけ離れています。これが現状です。

そして創業者の方々は
「そもそも、何が最低限必要で、何をどうしていいかも分からず」でも「同時に自分にとってどういうカスタマイズが必要なのかの指針も必要だとは感じる。」
そんな創業者の方々と、
微力ながら創業のお手伝いをする立場から言えば、
今は精一杯、複雑な糸をほぐしながら、最短で着地できるよう、尽力の現実です。

政府も世界的にも起業や創業ムードに、大きな磁石のようなものに引き寄せられるているよう、そんな気運で望ましいことではありますが、
起業創業の後押しを進める政府は、現状の行政手続に手を加えないと
「ハンドブレーキが掛かっている車でアクセルを踏んで運転してね」
というそんな感じにもなり兼ねません。


貸借対照表(バランスシート)の力学から資金需要を見出す。

「決算書から資金の需要を見出す」特に金融機関の方々に求められるようです。
決算書の中でも「貸借対照表」を分析して対象の会社が資金を潜在的に必要としているか、その掘り起しです。

貸借対照表は,
左側(借方)が資産=預金・売上の未回収・在庫・車などの設備・投資・・・・平たく言えば「お金かお金が形を変えたもの・やがてお金になるもの」。
一方、
右側(貸方)は負債と純資産。
負債=借入・仕入経費の未払・納付予定の未払税など・・・これから返さないといけないお金。
純資産=もともとの資本金(株主が会社に使ってね、と渡したお金)・当期までの利益と損失の積み上げ。

〇左側(資産)   / ・預金・売掛金・在庫・設備・投資 
□右側(負債・純資産)/ (負債)・借入金・未払金 + (純資産)・資本金・利益
(〇=□)

右側と左側が必ずイコールになるので「貸借対照表」カタカナで「バランス(する)シート」、
もっと言えば、右側からお金が会社内に入って、左側のどこかの項目の形になる原理原則からも左右はイコールになります。

右側負債の代表格である借入をしましたら、何もしなければ同額が左側の預金になります。
右側純資産の利益が増えましたら、一般的には左側の預金が増えます。

ただ現実には、利益が増えても預金が増えないケースも多々見受けられます、。これは
例えば、売上が上がっても売上の未回収(売掛金)が一瞬増えて預金はそのままの状況です。
しかしこれも左側の資産の「売上の未回収という項目が増えて」いることで、やはり貸借は保たれます。
車を購入するのに借入をする場合はもっとわかりやすいかもしれません。
(借入して右側からお金が入って、車という左側の資産の項目に代わる)

よく言われることに
「右側が原因で左側が結果」です。
また、
別の考え方として「右側と左側がイコールであるように資金移動がされる」ということに加え、
右側の「負債と純資産(おもに利益)の上下でもお金が動く」ということでもあります。
(もちろん右側左側の同じ側内の項目同士でも働きます)
つまりバランスシート内で力学が働いているように思えます。

さて
決算書から潜在的な資金の需要を見出す。その代表格と言えば運転資金でしょうか。
運転資金は、「諸経費支払い」という意味と、売り上げが増加する、在庫を抱える、仕入資金を即金で払うなど、
「売上と仕入に関係して発生する資金需要」という意味があります。

売上が増加する場合、左側の資産、売掛金が増加する(予定)ことになりますので、他の条件が一定なら左右バランスは崩れてしまいがちです。
右側項目の増加の手当てが必要となります。
応急的には負債である借入金を起こし左右貸借のバランスを取ります。・・こちらが増加運転資金と呼ばれる資金需要です。

販売形態が変わって左側項目の在庫を増やさなければならなくなったときも同様、右側の項目を増やすこととなります。

これらは左側の増加によって(あるいはこれから増加させる必要がある)バランスを図るために右側の項目を増加させる必要があり
借り入れ以外にも仕入先に支払いを伸ばしてもらう(未払い代金の増加)や、単純に利益を出して純資産の増加を図ることでも可能となります。

また、いわゆる諸経費の支払が先行し、仮に売上が伴わない赤字資金は、右側の純資産の利益が減る(マイナスになる)こととなって、
左側の項目や他の条件が一定なら
バランスを保つために負債を(例えば借入をして)右側同士の「負債と純資産項目の上下関係」で資金を移動させることとなります。

貸借対照表(バランスシート)には「バランスを取るための力学」が働いていて、その自然界にも似た中で資金需要が起きていると考えてみると、
金融機関さんが貸借対照表をもって資金需要を見出すだけでなく、会社自身でも資金需要について対応可能なことかもしれません。

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大阪市北区西天満4丁目12-11プラザ梅新別館303号室
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設立日 2014年5月
資本金 300万円
代表取締役 福岡和正
決算  8月
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 資金調達支援
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