借入金額は多い?一度決算書のここを見てはいかがでしょう。

金融機関が対象企業の財務分析や主に貸出の審査の際に「(有利子)負債償還年数」という基準があります。
または「(有利子)負債キャッシュフロー倍率」と言い換えることもあります。
平たく言うと、「借入金の残高が今の収益状況で何年で返済できるか」という指標です。

「今の借入金残高は適正なのか(多くないのか)」
「これから融資を申し込んで返していけると判断されるのか」
という声が多く寄せられますが、その一助にはなると思います

この基準の計算の仕方ですが、ごく簡略化します。
・(有利子)負債償還年数(年)=借入金残高/年間の純利益+償却費
・(有利子)負債キャシュフロー倍率(倍)=       〃

意味するのは
「1年間の純利益に償却費を加えた金額でもって何年で借入金を返済できるか」というもので、
これは、借入金残高が「1年間の純利益に償却費を加えた金額」の何倍(何年分)に相当するかと言い変えることもできます
勿論この年数や倍率は「低い方が健全」だと判断されるのはイメージできるでしょう。

さて
この「1年間の純利益に償却費を加えた金額」のことを「簡易的な返済原資」と言います。
借入金の返済に充てられる年間金額のことです。
ちなみに、
「年間の純利益=返済原資としない」のは、返済原資はキャッシュフロー(年間の稼いだ資金)で考えるためです。
年間の純利益はもちろん売上から仕入や諸経費を差し引いて計算します。
経費の中には(減価)償却費という経費が入ってますが(減価)償却費はその期にはお金の出ていない経費ですので、
キャッシュフローでは純利益に戻して(加えて)あげることとなります。

例を挙げてみましょう
①有利子負債(借入金残高)1000
②純利益200
③経費として計上した償却費50

⇒年間の返済原資は、②純利益200に、③お金の出ていない経費である償却費50を戻して加えてあげますと
②+③実際の手残りお金ベース=250
①有利子負債(借入金残高)1000は、(②+③)年間250でコツコツ返すと4年ということになります
これは
・有利子負債償還年数(年)=①借入金残高/(②+③)年間の純利益+償却費
・有利子負債キャシュフロー倍率(倍)=        〃

という上の計算式のことで、
「今の財務状況では4年で返済が終わる計算になる」
を意味します(現実そう単純ではありませんが・・・)

仮に今の借入金の返済年数が平均5年で契約していれば十分返済できる=金融機関にとってはWell Come なことで、この基準では健全な状況だと判断されやすいです。
また今から借入金を申し込もうとしている場合には、
・今からの借入によって有利子負債(借入金)残高がいくらとなり、
・償還年数あるいはキャッシュフロー倍率が何年(何倍)になるか
試算すれば借入金残高の適正水準を図る一助となります。

決算書を目にされる機会があれば是非何倍(何年)なのかな・・と試算してみるといいかもしれません。
もちろん会社組織ではない個人経営の確定申告書でも運用できます。
今の時期お試しされるいい機会かもしれません

では、決算書のどの部分をみればいいのか・・
〇「貸借対照表」の右側にある金融機関からの「借入金」(役員借入など返済を要しないものは除く)
(⇒必要運転資金としての借入調達額はこの話の「約定返済」に見合うべきものかはさておきます。私見では少し疑義がありますが・・)
〇「損益計算書」の一番下の「当期純利益」と販売費及び一般管理費項目の真ん中より下あたりの「(減価)償却費」
*個人経営の確定申告書であれば「青色控除前所得」から生活費を引いて専従者給与を足してください

かなりザックリですが・・ご参考まで。

100を150に。何年かかる。

今年マイナス金利政策が導入されて、各方面に良し悪し様々な影響が出ています。
身近な例では、住宅ローン金利や預金金利、積立型の保険、等々
いずれも金利(利息)について関心が高まった年でした。

以前ご案内しました
『72の法則』という金利「〇%」のお話があります。これは
72の数字を使って
「〇%」複利で・・・金利(利息)を元本に付加して、元本+金利分(利息)をさらに〇%で運用・・・
した場合に
「だいたい何年で元本の資金が2倍になるか。」というものです。
『72÷〇%=』の数字(年)
おおよそ元本が2倍になります。

例えば、複利4%の運用では
72÷4(%)=18年・・・約18年間4%の複利運用で元本が2倍になります。
例)100万4%を200万にするには「18年」運用

この低金利時代。
ましてやマイナス金利政策で金利は文字通りプラスも危うい時代には
元本を2倍にするのは果てしない年月が必要です。
では
1.5倍にするには何年ぐらいかとふと電卓をたたきました。
概ね『42の法則』でしょうか。

金利6%で複利運用すると 42÷6(%)=7年で1.5倍
金利2%で複利運用すると 42÷2(%)=21年で1.5倍
例)100万を複利で2%預けて21年で150万になる

いずれにしろ、リスクの高い高金利での運用をせずに、コツコツ運用することで元本を1.5倍、2倍にするには
一生近い年月がかかかるものということです。

「決算書の見方」で発想を変える。

「決算書の見方」という内容の書籍、その新聞広告がここ最近目立っていて
「決算書は何を表しているのか」「決算書をどう理解して、どうスキル向上や武器にするか」
に関心と注目が集まってきています。

キャッチフレーズや内容の多くは、
「経営者の方向け」には、毎年迎える決算の書類がうまく理解できない、どう読めばいいのか。
また「投資家の方向け」には、発表される対象企業の決算書をどう判断すればいいのか。
目的に応じて、決算書の様々な見方を簡易に書かれていて、理解しやすい内容となってます。

主に財務や経営、投資目的以外に、営業担当の方にとっても、
取引先の経営内容を判断する材料として、
ご自身の会社の経営内容を判断する材料として、またご自身の部門実績の把握ツーや更にはステップアップとして
決算書の見方は最低限のスキルという位置付けになってきている様です。

①「決算書の貸借対照表と損益計算書、何なん??関係は?」こう言った話は会話の中で多く頂きます。
直接質問ということでなくとも、「決算書という、この数枚の紙は何者なんだろう」と潜在的に思っておられるとも多く感じます。

相手の目的や関心度合いによっても異なりますが、お話しするイメージの一つに
決算書は「会社の体」を数字で表したものであって、決算書類にある
「貸借対照表 (バランスシート 略してB/S 「ビーエスともいいます」)」
「損益計算書 (略してP/L 「ピーエルともいいます」)」は、
同じ体を「因果関係でみている」にすぎません。
B/SもP/Lも相互に複雑に絡み合うのですが、簡単に言えば
・因(原因)は損益計算書
・果(結果)は貸借対照表
です。
商売が単年で儲かっているかどうかは「損益計算書」で最もなじみのある、売上-仕入-経費=利益を表してます。
体に例えるなら
毎日の食事は体を作ります。毎日の食事から毎日の活動に使うエネルギーをまかなって、余った栄養分は体内に蓄積されてます。この日々の繰り返し1年の集計が損益計算書(P/L)となります。
自身の体に、そのような日々の生活を繰り返して余った栄養分がどこに蓄積され(脂肪・筋肉・骨・肝臓などなど)、いくらの身丈、体重、体脂肪、など事細かく体裁を示すのが貸借対照表(B/S)です
ここでもし
毎日の栄養分が不足なら、過去の蓄積分の取り崩し・点滴や栄養ドリンクで補給か、何かしらで補なはなければ体を維持出来ません。
これらは損益計算書という1年間の栄養の出入り(原因)以外の手助けとなりますので貸借対照表(B/S)での対応となってしまいます。

販売業のお客様との中では
「販売や営業部門の考え方と、いわゆる本部の企画や仕入、資金管理部門の考え方が
どーもうまく疎通しない。営業部門には経営的な感覚を浸透させることが急務なのだが、なかなか・・」

「営業部門の独立採算制、もっと細部には営業個人ごとの独立採算制を導入したいのだけれども、なかなか・・・。」
こう言った話も結構頂きます。

「決算書の見方」を通して、組織・チームや働く人のモチベーションと発想力を駆り立てることが出来るかもしれません。
例えば営業部門の考え方の多くに
「売上を作る=利益が上がる」という絶対的な感覚が底強く、
「売上ー仕入=(商品の売り買いでの)粗利益、さらに諸経費を差し引いて・・・利益が出た出なかった」
という営業成績に留意、注目されます。そこにはどこか、仕入は一定量で既に確保されていて、借入や資金量も充足されているのが前提であって、
売上回収の時期は営業上重要でも、仕入れ支払いの時期、在庫の変動、これらに伴う資金量や不足の場合の借入に関しては2の次になっていることが多いです。。
ここでの発想は「損益計算書の考え方」です。

ところが実際会社の中では仕入量の調整、在庫の管理、売上回収の管理、資金量と借入金についての管理、営業の利益による資金量の増減を見ること・・
ここでの発想は対照表(B/S)の考え方になります。

もちろん「売上をより多く上げて営業で利益もたらすこと」、即ち「損益計算書の発想で利益黒字」なくしては会社の繁栄はあり得ません。
一方貸借対照表の発想で営業部門が営業できるなら、もっと会社全体の体力に貢献できるはずです。
一例に
・売上を上げる事、仕入れを下げる事に過剰に注目することから⇒売掛回収を早める事や在庫を適正に管理すると
利益は一緒でもキャッシュフローは厚くなります。

重要な、おもしろい決算書の見方の一つです。


「決算書の見方」を通して、
発想・モチベーションに影響されることとなって、また見えない世界を垣間見ることが出来るかもしれません。

金融緩和政策、川上の堰は切ったものの。

上場企業の現預金増加額は2016年3月期で過去最高水準となった様です。残高は報じられている数字によると100兆円超とも言われています。
マイナス金利政策によって市場に出回る資金が増え、最近決算期までの好景気によって上場企業にとってはキャッシュ余剰が加速したとも言えます。
しかしながら
マイナス金利政策や景気刺激策によって、中小企業や消費者の手元資金がその恩恵を受けているとは実感できません。
少なくとも、期待されてることは
・上場企業の余剰資金は、設備投資や賃金UP、関係企業、下請け企業へ十分に資金が循環すること。
・金融機関の貸出を刺激し、中小零細企業や創業資金に十分に資金が供給されること。

一方目立って報じられてることは、
上場企業は余剰資金を「自社株買い」によってROEはじめ財務指標を向上させることや、M&A(企業買収)によって自社の企業価値を高めることに強い興味があるようです。もちろん企業行動によることで否定はできませんが
政策が期待する資金の使い方がされているのか、疑問です。

金融機関も中小零細企業や創業企業には「保証協会付き」なら融資には積極的で、ただ「保証協会の保証があれば貸し出します」という、相変わらず保証協会の判断頼み他力本願で、プロパー(独自での融資)での資金供給は金融緩和政策の期待値とは大幅に違っているのが実感です。

せっかくの金融緩和政策も、資金が滞って企業内部でぐるぐると資金が回ったり
金融機関の貸出しも、「金利が低くなった」「住宅ローンの借り換えが進んだ」ということ以外、期待される分野に「貸出額が増加」した」とか、「プロパー貸し出し商品や貸し出し対応が顕著に上向きになった」とかあまり実感できません。

ちなみに
全国信用保証協会連合会の信用保証残高推移の資料ではH28年直近の保証承諾(保証協会付き融資を新たに受け入れた)前年同月比で95%程度となって
決して増えているとは言えない(マイナス)し、じゃあプロパー対応もうまく進まない、金融緩和政策って何なんだろうと??思わざるを得ないのが現場です。

川上にあるダムの堰をきって下流に大量の水が流れるようにしても、期待されるところや海にきっちり流れるとは限りませんが、
その期待されるの現場の実感としては、そういうことなんだろうと思います。

長期金利マイナスの話題。ついでに国債価格と金利の関係。

「長期金利マイナス」

関心が高いのでしょうか。お客様と自然に話題になってます。
前回に引き続きですが、この機会に。

①長期金利がマイナスそもそも。
②国債の価格が上がると金利が下がる。

額の汗を拭き拭き、ご紹介したいと思います。

・話題の長期金利は住宅ローンとか定期預金の金利?
厳密には「10年物の長期国債の利回り」が「指標」とされます。
この国債の利回りが指標とされてる、という決め事です
長期の住宅ローンや定期預金など、長期の「金利」にはいろんなレートがあります。適用される「長期金利」に差があるのは、「この指標とイコールではない」ということで、この指標が基準となって連動しやすいということです。

・じゃあ長期国債?
国債は「国が発行した債券」で財政の不足分を借り入れる「借金の証文」です。
満期に「額面いくらね。」と決められた額面金額で返してもらえます。例えば額面100円というように・・これが肝です。
利付債といってクーポンというおまけもついています。例えば額面100円クーポン年に5円とか。
その満期までの期間が10年の「長期の」国債が指標となってます。

・長期金利マイナスの意味は?
この長期国債の「利回り」がマイナスとなっているのが現状です。あくまで「利回り」です。
90円で買って100円で売れば、⇒利回りは、プラス11.・・・% という意味です。
利回りマイナスは120円で買って100円で売る(予想であって、そうではないでしょう)イメージです。予想では損します。損を予想した取引が常態化しているということです

ただクーポンは、おそらく確実にもらえます。買って売る値段の差額の儲け(損)とクーポンのおまけをプラスマイナスして利回りをはじき出します。
普通に考えることです。

・国債にはいろんな値段の顔がある?
○額面価格・・例えば100円.こちらは、お国が約束してますから、満期日に額面通りの償還価格で返してくれます。
〇流通(取引)価格・・例えばマイナス金利状況では100円OVERの120円とか。
株式や野菜、魚、一般的に市場で取引されてる意味で国債の債券市場で売り買いされている価格ですから変動します。実際の債券市場価格でこれが利回りに影響します。
〇クーポン・・おまけです。ただ確実にもらえると約束されてます。


3つの価格の中で、決まっている所与の値は、「額面とクーポン」とすると。
クーポン分は利回りに組み込まれて計算。でも
普通は流通(取引)価格が、額面価格より高く買うことはしません。償還期間まで持ってれば絶対に額面でしかもらえないからです。

国債の価格Aが上がる⇔金利Bは安くなる」(逆も。)」
このイメージが付きにくいです。
理論上もありますが
下記1)2)3)で、イメージしてみてください。

(前提)
(・国債の価格Aは「取引の価格」で、イコール額面(例えば100円)ではない。
・金利Bは指標となる国債の「利回り」
・クーポンは無視。)

1) 普通の損得
国債の取引価格A90円で買って、額面100円(=満期まで持ってると100円になる)
・利回りはプラス11.・% ⇒ 金利 B の指標
国債の取引価格A120円で買って、額面100円(=満期まで持ってると100円になる
・利回りはマイナス16.・% ⇒ マイナス金利 B の指標

・・・「取引価格が安い、と利回りが高い⇒指標tなる金利が高くなる。(逆も)」

2)例えば割引手形。
・割引手形は、会社が持っている手形を金融機関に売って(持ち込んで)一時的にお金を借りるシステムです。手形の金額は100円とします。1年後に必ず手形100円は発行会社の預金から引き落としになります。そこで貸し借りは終了です。
100円の手形を95円で金融機関に売る(割り引いてもらう)・・・国債でいうと額面100円の国債を95円で買うということ。その場合は
割引入金が95円・・5円が金利。また
割引入金が98円・・2円が金利。
割引手形の額面は同じ100円でも取引価格の割引入金の額が高いほど金利は安い。(逆も)

上の1)2)は
買った時の値段と、期日の決まっている値段の差額が金利の高低として安易に想像できます。

3)マーケットのお金さんの立場
国債債券という証文がたくさん買われる⇒国債は人気だから価格が上がる。⇒その対価として市場にお金さんがたくさん溢れる。⇒お金さんの存在が薄まって、お金の稼ぎ額である金利が下がる。・・(逆も)
*ちなみに日銀の金融政策の中で「買いオペ」は金融緩和(金利を低下)の際に用いられます。債券を買いあげることです。
債券を市場から買い⇒債券市場に資金が流入⇒金利の低下

そんな中で
特に、「何でマイナス利回りで国債を買うのか、」については各界様々に意見されてます。
先般日銀のマイナス金利導入によって国債への人気、への逃げ場(買い圧力)が高まったことで、
・今の取引金額が額面より高くても、より有利に転売できる思惑
・世界経済の不安で安全資産とされる国債(いつも踊り場資産とされる)に資金が集中する
・金融機関も直接マイナス金利が適用される日銀預金より国債
今、少々高く国債を買っても気運に乗って安心なのだろうか。
そして額面での償還の前に(仮に損が確定する前に)日銀が国債買い戻してくれるだろうし。
マイナス利回りで購入した国債を償還期限前に売りに出したい圧力は当然に高まるはずですから、
特に短期の国債についてはそういった期間は限定されます。

現実市場でやり取りされてることは、とっても深い意味があるのでしょうが、
本来の目的に出動するのに待機して背中を押されたのに
どうもお金さんが、儲けの「サヤ取引」にしか使われていないように思います。

「資金を有効に融通して使ってね、、任せるから」
という金融市場の意義が、実態とカイ離して、プラスにもマイナスにもバブルになってやいないかと
短中期的に見ても足して引いたらゼロなんだろうかと

今はこの現象に追いつけないだけなのか、きっと理解不足なのだろうと汗を拭き拭き、
でもやっぱり
不可思議なこととなってるように感じます。

資金繰り専門
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事務所概要
大阪市北区曽根崎新地2-1-13-401
株式会社溢光(いっこう)アカウンティング
設立日 2014年5月
資本金 300万円
代表取締役 福岡和正
決算  8月
業務内容
 資金調達支援
 創業支援
 会計コンサルティング

グループ会社
合同会社溢光(いっこう)コンサルティング
武田会計事務所
武田行政書士事務所
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